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クボタの田植え機、いま選ぶなら——農家目線でわかる“仕事が早く、曲がらない”一台

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代かきが決まって、苗が上がってきたら——あとはまっすぐ植えるだけ。ところが現場では、この「まっすぐ」がいちばん難しい。クボタの田植え機はここ数年、**GS(直進キープ/直進アシスト)AgriRobo(自動運転)**で大きく進化し、オペレータの負担と植えムラを一気に減らしてくれます。本記事では、2025年時点のラインアップと価格感、アタッチメントの実用性、疎植・密播などの技術との相性まで、農家の現場感で整理します。


1)2025年の主力は「NAVIWEL(ナビウェル)」と「AgriRobo」

クボタの田植え機は大きく、**NAVIWEL(NWシリーズ)AgriRobo(NW8SA/NW10SA)が中核。NAVIWELは6条・8条の“スペシャルクラス”があり、GS機能の使いやすさがさらに磨かれています。メーカー希望小売価格は約382.8万〜672.1万円(税込)**のレンジ(NW60S/NW80S)。中〜大規模でも“手離れ”良く回る作りです。

一方、AgriRobo田植機(NW8SA/NW10SA)はほ場全面の自動運転を実現。KSAS(クボタの営農情報連携)と連携して可変施肥まで踏み込み、作業人数を変えずに面積を伸ばせるのが強み。10条植のNW10SAは**メーカー希望小売価格 977.9万円(税込)**と、投資額は大きいものの、面積あたりの人件・時間コストをガツンと下げられるのが魅力です。

なお、5条植ディーゼルの新型NW50Sが2025年7月に発表。発売は2025年11月予定で、家族経営〜中規模の“機動力”機として注目です。


2)現場で効く“キモ”はGS:直進キープ/直進アシスト

GS(直進時自動操舵)は、ハンドル操作を機械に任せて一直線に走らせる機能。経験が浅い人でも条が曲がりにくく、熟練者でも振り返りのたびに蛇行するストレスが消えます。つまり「まっすぐ」の再現性が上がり、植付け深さや苗取り量の微調整に集中できる。結果、精度と能率の両立がしやすくなるわけです。

農家の実感:枕地や端の寄せでどうしても“人の手”は残る。でも条間がきれいに揃うと、除草剤の効き収量ムラまで後ろの工程に効いてきます。


3)「こまきちゃん」同時散布で、1回の乗車で3仕事

除草剤散布機「こまきちゃん」(CS-100/CS-30)や殺虫殺菌剤のHSYシリーズを載せると、田植えと同時に薬剤散布が可能。CS-100は8Lホッパで補給回数を抑え、NW連動のスリップ補正まで入り散布精度も向上。作業時間の短縮と省力化に直結します。

農家の実感:圃場が散らばっていると“乗り直し”が一番の無駄。同時散布は段取りの勝ち。午後から風が上がる地域でも、朝の1ラウンドで決め切れます。


4)疎植・密播・鉄コ直播との“相性”

クボタは営農情報の中で、疎植や密播、鉄コーティング直播などの選択肢を一式でサポート。密播の場合は苗の根張りが強い分、クリーナ装着や横送り回数の設定などがポイント。NWは30回横送りも使え、好みの植付本数に追い込めます。

農家の実感:苗箱を減らして運搬・潅水の手間を落とすには疎植×GSが効く。直播との組み合わせは地域の水管理・雑草圧で最適解が変わるので、まずは1枚で試験が鉄則。


5)規模・圃場条件でこう選ぶ(条数と機能の目安)

  • 3〜10ha未満/家族+パート中心:NW60S(6条)を軸に。GSで直進同時散布で段取り短縮。8条が回せる枕地幅・搬入路があるならNW80Sへ。
  • 10ha超/分散ほ場(移動多い)GS+こまきちゃんで“乗る回数を減らす”設計を。端の寄せや畦畔の形が複雑でも、直進区間の確保で全体の歩留まりが変わる。
  • 20ha超/人手を増やしたくない:AgriRobo(NW8SA/NW10SA)で全面自動運転+可変施肥。1人のオペで面積当たりの時間を圧縮したい層に向きます。

農家の実感:条数は“速さ”だけでなく旋回・枕地のロスも含めた実作業時間で。GSの恩恵は条数を上げるほど大


6)価格感と導入の考え方

  • NAVIWEL スペシャルクラス(NW60S/NW80S)382.8万〜672.1万円(税込)。GSの使い勝手が上がり、基本性能も底上げ。リセールも期待しやすい主力帯。
  • AgriRobo NW10SA977.9万円(税込)作業人数そのままで面積拡大を狙うモデル。KSAS連携でデータ活用まで踏み込みたい場合に。
  • 参考:中古や旧型の目安(WP/ZP/EPなど)…年式・機能でばらつきますが、中古相場や旧型新車の価格レンジを示す資料では200〜500万円程度の幅が一般的とされています(購入時は必ず販売店で現物・諸費用を確認)。

農家の実感:価格は“時間あたり粗利”で見るのがコツ。GSで条の蛇行が減ると、後工程(除草・収量)まで波及。AgriRoboは“人時”のボトルネック解消に効きます。


7)導入前チェックリスト(失敗しない段取り)

  1. 搬入路と枕地幅:8条・10条は旋回スペースの確保が最優先。
  2. 代かきの仕上げ:GSの直進は路面の整いで精度が上がる。
  3. アタッチメント在庫:こまきちゃん・HSYは適合と配線キットを事前確認。
  4. 密播/疎植の設定:横送り回数・苗クリーナ・苗取り量を事前にテスト。
  5. データ活用の準備:KSAS連携や作業記録の取り方を決めておく(可変施肥まで考えるなら必須)。

8)現場Tips:最初の一日で“差が出る”小ワザ

  • オフセットと視準:基準線を作って最初の1本を完璧に。あとはGSに任せる。
  • 振り返るタイミング:GSなら走行を任せ、植付け深さの微調整に集中。精度のバラつきが減る。
  • 散布量の試し撒き:こまきちゃんは散布量・拡散板の確認を“水を張る前”に。

9)結論:条が揃えば、すべてが揃う

クボタの最新田植え機は、「まっすぐ」の再現性と段取りの同時短縮で、田植えを“速く・均一に・楽に”変えてくれます。家族経営ならNW60S/80S+GS+同時散布、より広域を回すならAgriRobo+KSAS。2025年秋のNW50Sも5条ディーゼルの有力候補。条が揃うことは、除草の効き・収量の伸び・後工程の省力まで効いてくる——これが、今年のクボタ田植え機の答えです。


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