お米づくりの籾摺りでウチで使っている機器を今回はご紹介します。刈取った稲を乾燥機にかけ、お米の水分量が15%前後になったら籾摺り作業の開始です。この作業は乾燥機に入っているお米を籾摺り機に送り込むのですが、乾燥機にお米を残すことは出来ないのでノンストップで作業が進みます。籾摺り機からお米を袋詰めする出荷前の最終作業工程です。
使用している籾摺り機の製品名
SATAKE製(サタケ製)
NEO RICE MASTER(ネオ ライス マスター)
NRZ450 GWK
籾摺り機「サタケ」の機能について
操作パネルがタッチパネル式になっています。開始やロールの調整などが7インチのタッチパネルから実行出来ます。次の操作などの表示がしっかりと出てくるのでわかりやすいですが、高齢の農家さんやタッチパネルに不慣れな方だとまたちょっと理解しづらいのかもしれません。ただいろいろな説明や作業中にチェックしなければいけない箇所などを通知してくれるので、タッチパネル操作を理解するとよりこの籾摺り機が簡単になるのではないでしょうか
型番 | NRZ450 |
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区分 | GWAK |
所要動力 (Kw) | 3相200V 2.79 |
処理能力(kg/h) (玄米排出) | 1,080~1,440 (18~24俵/時) |
ゴムロール(mm) | 統合型中径102 (4インチ) |
ロール制御 | 自動 |
自動循環排出切換 | あり |
混合米揚穀 | 昇降機 |
精品(玄米)揚穀 | 昇降機 |
選別方式 (選別板枚数) | 揺動選別(7枚) |
籾殻搬送能力(m) | 最大16(ライト管・鋼管水平時) |
機体質量[重量] (モータ込)(kg) | 327 |
そもそも籾摺りとは
クボタ田んぼより引用
脱穀が終わると籾摺りです。籾摺りは籾から籾殻 (もみがら) を除去して玄米にする作業です。弥生時代は竪臼 (たてうす) に籾を入れて竪杵 (たてぎね) で搗 (つ) いて行っていました。その後、木摺臼や土臼が使用されました。古来からの杵搗き作業による半搗米 (はんつきまい) の食習慣が、臼の登場により籾摺りと精米の2作業に分かれて、白米食が行われるようになったようです。
籾の乾燥が不十分だと臼ひき作業に耐えられず籾が砕けます。籾摺りではこの砕け米の発生率が大問題で、木摺臼と土臼を併用しながら、さまざまな工夫をこらしました。土臼は作業効率は優れているものの砕け米が多く、精白するときにも損になる、と評価されていたようです。しかし、砕けたお米も無駄にせず、家での食用にしました。
稲刈りの作業工程
- 稲刈り:コンバインで稲を刈ります(コンバイン内部で脱穀まで実施)
- 乾燥 :刈取ったお米を15%前後まで水分量をとばします
- 籾摺り:お米を籾摺り機に送り込んで籾殻をを除去します
- 袋詰 :31.75kgで袋詰します(精米した際に30kgになるように)
- 格納 :低温保管庫にお米を収納します(17度前後で保管しています
籾摺り機の作業は3.4の作業になります。
籾摺り機で納品前のお米に磨きをかけます。
籾の水分量を14%に下げてから籾摺り機へ投入されます。籾摺り機内部にゴムロールが2つありその間を籾を通してロールの回転速度やロールの開き間隔を調整して、籾殻を摺り落として行きます。ゴムロール2つの間を通ることで摩擦をうけて強制的に籾殻が剥がれ落とされるようになっています。
籾摺り機を通ったお米を袋詰
籾摺りが終わった籾は自動選別計量器へ送られ計量器の重さを32.5kgにセットします。ウチの計量設定ですが、他の農家さん家では「30.5kg」だったり30kg以上に自動選別計量器を設定しています。なぜ販売の重さが30kgなのに32.5kgなのか? それは、精米機で糠を取り除くと大体30kgになるから少々多めの設定で袋詰をします。ウチの代々継承されている重さですね。恐らく精米しても30kg以上はあると思います。また、この自動選別計量器では、袋詰の前に屑米(くずまい)を分離して排出してくれるフィルターが存在します。
籾摺り機で作業が米作りで1番身体がつらい
個人的なことですが、籾摺り後の袋詰めをして低温冷温庫に米袋を運ぶ作業が1番きついです。ウチには米袋リフターなどがなく、台車に米袋を積んで低温冷温庫まで運んで積み込みます。米袋は300袋あるのですが1回の籾摺り作業は、乾燥機に満杯に米を入れると55体ぐらい出来上がります。この籾摺りは前述でお話した通り乾燥機のお米をすべて排出しなければいけません。乾燥機に残して後で作業を開始するということは絶対にしないため、籾摺り作業を開始したらノンストップで作業を進めます。次々と米袋が出来上がり休む暇がありません。そして乾燥機のお米が全て排出されのに1時間30分程度かかるのでほんとこの時間が苦痛でなりません。なんとか低温冷温庫までの導線をきれいに整備して米袋リフターもしくはベルトコンベアーを導入して作業負担を軽減したいです。